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頼朋という男が投資を始めた理由 #10

photography of leaves under the sky お金
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最終章:新しい日常

暖かな春の日差しがリビングに差し込む。5年が経ち、頼朋と真紗子の生活は、新しい段階を迎えていた。娘の大媛は大学に進学し、家を離れてキャンパスライフを謳歌している。親としての責任を果たしつつある彼らだが、新たな課題と希望が交錯する日々を送っている。


大媛の大学生活

大媛が進学したのは、地方の国立大学。男性が多い工学部の中で、彼女は明るい性格と愛らしいルックスで「ひめ」と呼ばれていた。

「パパ、聞いてよ。今度、学内プロジェクトでロボットを作ることになったの!」休日に帰省した大媛が、嬉しそうに話す。

彼女が専攻しているのは機械工学。設計やプログラミングだけでなく、環境に優しい技術やAIの活用方法など、最先端の研究に取り組んでいる。

「忙しいけど楽しい!でも、機械工学って本当に奥が深いのね。」大媛がそう語る姿に、頼朋と真紗子は誇らしさを感じていた。

一方で、大学生活には楽しみも多い。キャンパスには有名店が出店しているカフェテリアやラウンジがあり、同級生たちとリラックスした時間を過ごすのが息抜きだという。最近は「インターンの話も出てきて、少し将来のことを考えなきゃ」と大人びた表情を見せることもあった。


真紗子の独立と頼朋の決断

その頃、真紗子はついに長年の夢だった独立を果たしていた。以前勤めていた医療機器メーカーの経験を活かし、個人事業として医療業界向けのコンサルティングを始めたのだ。

「最初は不安だったけど、おかげさまでクライアントも増えてきて、忙しくなったわ。」真紗子が微笑みながらそう言うと、頼朋も「お前ならうまくいくって思ってたよ」と応じた。

一方、頼朋にも変化があった。会社から昇進の話が持ち上がったが、彼は「自分の時間を大切にしたい」として断ったのだ。多忙な業務の中で、次第に家族や自分の人生を見つめ直す余裕が欲しいと感じたことが理由だった。

「今のポジションで十分だよ。それよりも、これからは真紗子のサポートをしたり、将来のことをじっくり考えたい。」

この選択は、彼にとって勇気のいる決断だったが、不思議と後悔はなかった。


老後の計画と親の介護

夫婦の会話は、老後についても具体的な話題が増えていた。

「大媛の大学費用はなんとかなりそうだけど、私たちの老後資金も計画を立てないとね。」真紗子が言うと、頼朋は「積み立ててきた投資信託がある程度の柱にはなるけど、そろそろ親の介護のことも考える時期かもな。その後は俺たちの介護もはじまるし。」と答える。

真紗子の両親は現在も健在だが、少しずつ足腰が弱くなり始めている。頼朋の父も高齢になり、体調の管理が必要な状況だった。両方とも認知症も気がかりだ。

「親が元気なうちに、どういうケアが必要になるのか話しておきたいわね。」真紗子は現実的な目線でそう提案する。「だけど、無理に一人で抱え込むのはやめましょう。専門家の手を借りることも考えて。」

「エンディングノートも、親にもなんとなく勧めたいとおもっている。実は、私自身も書き始めているのよ。資産管理もできるし、意外といいわよ。」

その話し合いは、彼らのこれからを見据えた一歩だった。


未来への小さな誓い

その夜、頼朋と真紗子はベランダに出て、久しぶりに二人だけの時間を過ごしていた。テーブルにはお気に入りのスペイン産のスパークリングワイン「ロジャー・グラート ブリュット ロゼ」が並び、グラス越しに見える夜景がどこか懐かしく感じられる。

「5年前、初めて投資信託を始めた頃は、こんな未来が来るなんて想像もしてなかったな。」頼朋がグラスを傾けながらそう呟くと、真紗子は「本当にね。でも、あの時勇気を出して一歩踏み出してよかったわ。」と微笑んだ。

「これからも、お互い挑戦を続けよう。ひめの将来も、親のことも、俺たちの老後も、全部見据えながらさ。」頼朋がそう言うと、真紗子は静かに彼の肩にもたれかかり、小さく頷いた。

その瞬間、二人の間には確かな安心感と、これからの未来への期待が広がっていた。


家族の新しい物語

翌朝、大媛から「新しい研究プロジェクトに選ばれた!」という嬉しい連絡が届いた。

頼朋と真紗子は顔を見合わせて笑い、「よし、俺たちも負けていられないな。」と気持ちを新たにする。

未来への道は続いていく。家族それぞれが自分の目標に向かいながら、それでも心は一つに繋がっている──それが彼らの「新しい日常」だった。


──小さな一歩が未来を作る。家族の物語は、これからも続いていく。

あなぐま
あなぐま

頼朋という男が投資を始めた理由のストーリーはこれでおしまい。これからも予定外の出来事や出費もでてくるけど、その都度、話し合って解決していくだろうね。

このストーリーは、「おとな世代のための賢い投資スタートガイド」の解説版だよ。

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