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「教育資金はこれでバッチリ!」と申し込んだら、「でも老後どうするんです?」って言われて、気づいたら変額保険のパンフを読んでいた私

お金

子どもが生まれ、学資保険に申し込んだつもりが…

はじめての子どもが生まれた。お宮参りやら、保育園見学やら、慌ただしい日々がすぎ、落ち着いてきた時にきになりまじめたのは、子どもの教育費だ。高校までは、給料でやりくりして、大学の学費は、小さいうちから貯めておくのが王道だ。(日本政策金融公庫 教育にかかる費用はどのくらい?)どうやって貯めるか。親は学資保険にはいっていたことを思い出した。学資保険なら強制的に貯められるから、私の性格にあっているだろう。

ある日、通勤電車の中で「学資保険 おすすめ」と検索してみた。上位に表示された保険会社のページには、「返戻率108%」「確実に教育資金を準備」といった文言が並ぶ。私は「手堅い選択だろう」と思い、そのまま資料請求をして、その後、担当をする営業の所属と名前の連絡がきた。

数日後、保険会社の営業から電話がかかってきた。


「お子さんのためにも、変額保険を検討しませんか?」

電話口の営業担当は丁寧な対応だった。学資保険がいかに重要か、私をおだてながらも、手続きをすすめていった。

ところが、営業は学資保険の計画書を渡しながら、話題は「学資保険」から次第にそれていった。

「お子さんの将来のためには、教育資金も大事ですが、それと同じくらいご夫婦の老後資金も重要です。お子さんに迷惑はかけられませんでしょ。じつは、保障と運用を組み合わせた“変額保険”という商品がありまして……いまは、貯金で利子がほとんどつきませんし。お子さんのためにもいかがですか。」

私は一瞬戸惑った。「変額保険」とは何だろう?
さらに、オンライン面談を受けることにした私は、そこで初めて、保険と資産運用が一体化したこの商品について詳しく知ることになる。


変額保険とは何か? その仕組みと特徴

営業担当の説明は、こうだった。

  • 一定の死亡保障がある(最低保障額あり)
  • 保険料の一部を投資信託で運用するため、将来の受取額は運用成果に左右される
  • 老後資金の形成に使える

表面上は「保険で守りながら、資産も増やせる」という、理想的な設計に見える。
だが、私は直感的に違和感を覚えた。なぜだろうか。


自分で調べて分かった「変額保険」の本当の姿

面談後、私は改めて「変額保険 メリット デメリット」といったキーワードで調べ始めた。そこで分かったのは、変額保険には以下のようなリスクと問題点があるということだった。

● メリット

  • 死亡保障がある
  • 長期的に運用すれば、リターンの可能性もある
  • 積立型で強制的に貯められる

● デメリット

  • 手数料(販売手数料・信託報酬等)が非常に高い
  • 投資部分は元本保証がないため、元本割れの可能性がある
  • 途中解約は大きな損失になるケースもある

つまり、「保険」と「投資」という本来目的の異なる2つを一体化することで、両方のメリットを享受するどころか、両方のデメリットを背負う可能性があるということだ。


営業が「変額保険」をすすめる理由は何か

ここで冷静に考えたい。
なぜ、私が学資保険を申し込んだだけなのに、営業はわざわざ変額保険をすすめてきたのか?

その背景には、「変額保険は保険会社・営業担当者にとって利益率が高い商品である」という事情がある。具体的には、次のような構造だ。

  • 販売時の手数料(初年度で数%)が高い
  • 運用手数料や保険管理費用が継続的に発生する
  • 顧客が途中で解約しても「早期解約控除」などの名目で一定の利益が確保されている

つまり、「売りやすく、儲かりやすい」商品というわけだ。

営業トークは「お子さんのため」「老後の安心」と、まるで顧客視点に聞こえる。だが、裏側では“誰のための商品提案なのか”を冷静に見極める必要がある。


保険と投資は分けるべき──その理由

結論から言えば、私は変額保険を選ばなかった。

理由は明確だ。
保険は「守る」手段であり、投資は「増やす」手段。
この2つを一つの商品に詰め込むと、次のような問題が起きる。

  1. コスト構造が不透明で高すぎる
     → 投資信託であれば信託報酬0.1〜0.3%台の商品もあるが、変額保険では2〜3%にもなる
  2. 柔軟性がない
     → 途中解約で損をするリスクが高く、ライフイベントに対応しづらい
  3. 運用内容が選べず、パフォーマンスも期待しにくい
     → 投資としても効率が悪い

賢い30代が選ぶべき「保険」と「投資」の在り方

現在、私は以下のような方針でお金を管理している。

  • 保険:必要最低限の生命保険、損害保険(シンプルで自分が理解できるもの)
  • 投資:NISAでインデックスファンドを毎月自動積立
       iDeCoを活用して老後資金を長期で形成

この方法なら、コストは最低限に抑えつつ、ライフステージに応じた柔軟な対応ができる。

保険は「最悪の事態に備える」ものであって、「資産を増やす」道具ではない。
そして、投資は「増やす」ことを主目的とし、理解できる商品で運用すべきだ。


なんでも、自分が理解できる商品をえらびたい。シンプルが一番。

営業トークでは、変額保険が「いいとこ取り」に聞こえるかもしれない。
だが、それはあくまで“販売者側にとって都合の良い話”である可能性が高い。

変額保険は、投資と保険のハイブリッドで、一見都合が良く見えるが、一緒にする必要はない。

シンプルが一番だ。

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