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釣りをやったことがないのに隣国第三王子に釣りを誘われた没落侯爵令嬢の顛末 #3

アウトドア

釣りの技術が上達する中、侯爵令嬢アリシアは自分の心の中の感情に気づき始める。しかし、その矢先に王太子が再び彼女の前に現れ、再婚約を提案するのだった。

第三章 釣りの奥義と心の距離

釣りを通じてカイルと心を通わせるようになったアリシア。没落し、孤立していた自分を気遣ってくれるカイルの存在は、彼女にとってかけがえのないものになっていた。そんなある日、湖畔でいつものように釣り糸を垂らしながら、アリシアはふとカイルに尋ねた。

「ねえ、カイル。どうして私にこんなに親切にしてくれるの?」

カイルは少し驚いたような表情を見せたが、やがて穏やかに答えた。「アリシア、君を見ていると、かつての自分を思い出すんだ。俺もこの世界に来て、何もかもが初めてで、不安でいっぱいだった」

彼が話す「かつての自分」という言葉に、アリシアはふと違和感を覚えた。しかし、それを口にすることはせず、彼の言葉に耳を傾けた。

「でもね、私がこの世界に来たことには、何か意味があると信じている。だから君が少しでも笑顔を取り戻せるなら、私も役目を果たせた気がするんだ」

アリシアは静かに頷いた。カイルの存在が彼女にとってかけがえのない支えとなっていることを実感する。その瞬間、アリシアの心の中で、カイルに対する想いが新たな形で芽生え始めていた。

あなぐま
あなぐま

カイルの転生前は、現代日本の大手釣具メーカーLEIWAの敏腕エンジニアだよ。転生者は多くはないけど、この世界には時々いるみたい。だから、アリシアもカイルが自分が転生者と告げらても、少しは驚いただろうけど、受け入れらたんだろうね。王子様で知識もある転生者なんで、すごいスペックだよね。僕も転生前はタヌキだったと思う。

このお話の知識編は、ここ「釣りをやったことないのに子どもに釣りをやってみたいと言われた親の話#3」にあるからよかったら読んでね。

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