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頼朋という男が投資を始めた理由 #1

time lapse photography of downtown お金
Photo by Ben Cheung on Pexels.com

──都会の片隅、静かに始まった物語は、家族と未来を巡る挑戦へと変わっていった。

 1章 都会の孤独を抱えるサラリーマン

新宿駅の改札を抜ける人々の波に押されながら、頼朋はまた一つ深いため息をついた。40歳になって初めて、「自分の人生、このままでいいのか」と思うようになったのは最近のことだ。

頼朋は都内に本社を置く中堅の広告代理店「湘南エージェンシー」で働いている。営業企画部の課長として、プロモーションやイベントの企画を手掛けてきた。華やかな業界に見えるかもしれないが、その実態は地道な努力の積み重ねだ。プレゼンのために深夜まで資料を作り、競合と争い、ようやく案件を獲得したと思えば、クライアントからの容赦ない修正依頼で振り回される。年収800万円はもらっているが、残業代込みの数字だ。

帰宅ラッシュの電車に揺られながら、ふとiPhoneでニュースを開いた。「大手広告代理店が不正請求問題で大規模リストラか」。その文字に思わず目を細めた。ここ数年、広告業界は厳しさを増すばかりだ。頼朋の勤務する会社も例外ではない。新規案件の獲得が伸び悩み、昨年から中途採用は停止。つい最近、社内でも「部署の統廃合があるらしい」という噂が囁かれていた。

「この会社、いつまで持つんだろうな……」

ちらりと窓に映る自分の顔を見る。疲れた顔の40代のサラリーマンがそこにいた。


頼朋の家族たち

家に帰ると、そこには家族が待っている。妻の真紗子は同い年の40歳で、外資系医療機器メーカーに勤めるキャリアウーマンだ。結婚15年目になるが、その凛とした佇まいは昔と変わらない。会社ではマネージャー職に就き、後輩たちの指導に追われる日々を送っている。そんな彼女も「いつかは自分の力で独立してみたい」と考えるようになり、最近は副業で資格を取り始めたらしい。

そして、2人の娘、大媛。小学5年生の10歳。頼朋にとって、彼女の笑顔は何よりも癒しだ。学校では勉強も運動も人並みにこなしており、「将来は大学に行って研究者になりたい!」と夢を語る。純粋で無邪気なその言葉に、親としての責任を強く感じる頼朋と真紗子。「大学進学にかかるお金はどれくらいだろう?」と考えるたび、家計に対する漠然とした不安が押し寄せてくる。


35年ローンの重圧

彼らが暮らすのは、都心から少し離れたベッドタウンのマンションだ。3年前に購入した3LDKの部屋。都心へのアクセスが良く、子育てに適した環境を求めた結果、このマンションを選んだ。しかし、それは35年ローンという大きな決断を伴うものだった。月々の返済額は15万円弱。家計に占める割合が大きく、毎月のやりくりは楽ではない。

頼朋の給料だけではやり繰りが厳しいため、真紗子の収入が頼みの綱だ。しかし、共働きであるにもかかわらず、思うように貯金ができないのが現実だった。教育費、ローン、日常の支出……家計簿をつけるたびに数字に目を伏せたくなることもある。


「このままでいいのか?」

最近、真紗子がふとつぶやいた。「ねえ、頼朋さん。私たち、このままの生活で大丈夫かな?」

夜のリビングで、大媛が寝た後に始まるこの手の会話が増えている。真紗子はため息をつきながら家計簿を手に取り、「もっと貯金が必要だと思うの。でも、どうしてもうまくいかなくて……」とぼやいた。

頼朋も同じ気持ちだった。ローンや生活費に追われ、何か新しいことに挑戦する余裕なんてない。それでも、娘の夢を応援したい。妻の独立の夢を後押ししたい。そのためには、今のままではいけないと薄々気づいていた。

「貯金じゃ追いつかないのかもしれない。けど、どうしたら……」

この夜、頼朋は初めて「お金を増やす」ということに真剣に向き合うべきだと思った。


新しい何かを求めて

翌朝、通勤途中にスマホで「お金を増やす方法」と検索してみた。FX、不動産投資、仮想通貨……怪しげな情報が次々と画面に表示される中、「初心者でも安心。少額から始められる投資信託」という文字が目に留まる。

「投資か……そういえば、大学の友人がNISAがどうとか言ってたな。」

頼朋の胸に、今までにはなかった小さな興味が湧き上がる。それは、不安と期待が入り混じった感情だった。

電車が新宿駅に到着する頃、頼朋は決意していた。「よし、少し調べてみるか。」
この一歩が、彼と家族の未来を大きく変えるきっかけになるとは、まだ誰も知らない。


──静かな日常の中に、小さな変化の種がまかれた。それは、頼朋が見つけた希望の光だった。

あなぐま
あなぐま

このストーリーは、「おとな世代のための賢い投資スタートガイド」を架空の家族にあてはめたものだよ。よかったら読んでね。

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