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頼朋という男が投資を始めた理由 #4

young barefoot woman using laptop on floor near books in stylish living room お金
Photo by Vlada Karpovich on Pexels.com

4章:初めての口座開設

休日の午後、キッチンカウンターにはノートパソコンと書類が散らばっていた。その前に座る頼朋は、証券会社のウェブサイトを睨みながら「本人確認書類をアップロードしてください」という画面にため息をついていた。「こんなに面倒なんだな……」と思わずつぶやく。

真紗子がコーヒーカップを片手にキッチンから顔を出した。「何か困ってるの?」と声をかける。頼朋は「証券口座の登録をしてるんだけど、意外と手間がかかるんだよ」と答えた。「マイナンバーカードを使うらしいけど、どこに置いたっけな……」

最近の証券口座開設では、本人確認やマイナンバーの登録が必須だ。「手続きは簡単」と広告には書かれていたが、いざやってみると、免許証の写真を撮ってアップロードしたり、住所や年収、職業の詳細を入力したりと、やるべきことが多い。


新しいNISA制度との出会い

頼朋が口座開設を進める中で気になったのは、「NISA(少額投資非課税制度)」という言葉だった。検索を進めるうちに、新しいNISA制度についての情報が目に入る。

「成長投資枠」「積立投資枠」という2つの枠があり、それぞれの用途に合わせて投資ができる仕組みだ。年間360万円まで投資が可能で、利益は非課税。成長投資枠では株式や投資信託が対象になり、積立投資枠では毎月一定額をコツコツ積み立てる方法が推奨されている。

「これ、良さそうだな。非課税ってすごく大きいな……」と頼朋が考え込むと、真紗子がノートパソコンの画面を覗き込み、「非課税ってことは、儲けても税金が取られないってこと?」と興味を示した。

一方で、真紗子も証券会社のウェブサイトを開いていた。きっかけは先日の食卓での会話だ。NISAなら自分にもできそうと感じた彼女は、休日の午後を使ってじっくり調べることにした。

NISAの積立投資枠は、年間120万円までの積立が可能で、その運用益が非課税となる制度。対象となるのは長期投資向けの投資信託で、少額から始められるのが特徴だ。「月1万円くらいからスタートしてみるのもいいかもね。」

真紗子は自分に言い聞かせるようにそうつぶやいた。

「リスクが少ない方法で、まずは慣れるところから始めたいわ。」


書類集めの苦労

口座開設には、身分証明書やマイナンバーカードが必要だ。頼朋はリビングの棚を引っ掻き回しながら、「この前更新した免許証どこだっけ……」と独り言を漏らす。

「それなら、前に大媛が提出書類をまとめてたファイルに入ってたかもよ」と真紗子がヒントを出す。家族の助けを借りながらようやく必要書類を揃え、ノートパソコンに向かう頼朋。

しかし、手続きの中で「職業」「年収」「投資目的」など詳細な質問に答える場面があり、「こんなに聞くのか」と驚く。「この入力欄に嘘を書いたらどうなるんだろう」と一瞬考えたが、さすがに正直に記入する。


未来に向けたスタートライン

数時間の格闘の末、頼朋はようやく「口座開設申請完了」の画面を見ることができた。「ふぅ、これで一歩前進だな。」彼の表情には安堵感が浮かんでいる。

隣で真紗子も「私もNISAの口座を作ってみる」と言った。「将来のことを考えると、少しずつでも始めたほうが良さそうね。」

頼朋は「一緒に始めてみるか」と微笑みながら言った。この小さな決断が、夫婦の間に新しい習慣を生み出すことになるとは、まだ気づいていない。

その夜、夕食後のリビングで夫婦は一緒にNISAや投資信託の商品を検索していた。大媛が「ねえ、パパとママって最近お金の話ばっかりしてるね!」と茶化しながら宿題のノートを持ってくる。

「これも家族の未来のためだよ」

と頼朋が答えると、大媛は「じゃあ私の将来の学費もお願いね!」と笑顔を見せた。その無邪気な一言が、頼朋と真紗子の背中をさらに押すことになった。

こうして頼朋と真紗子は、それぞれのペースで「投資」という未知の世界に一歩踏み出した。


──小さな口座開設の手続きが、家族の未来への大きな一歩になる。

あなぐま
あなぐま

頼朋と真紗子の一人娘は「大媛」。「おおひめ」って言うんだ。そう。木曽義仲の息子「清水冠者こと木曽義高 」との仲で有名な「大姫」が思い出されるね。

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