昔ほどではありませんが、新人社員や転職の社員が新しい部署に配属され、仕事に慣れ始めた頃、なぜが現れる生命保険会社の営業。
その営業の方にお会いすると、はじめに必ず勧めてくる保険商品があります。
それは「外貨建て保険」です。
どうして生命保険会社はこの保険をおすすめするのでしょうか?
いつも不思議に思っていました。その理由を考えてみました。
理由1:リスクを保険会社じゃなく契約者が負う
普通の生命保険では、保険会社が集めたお金を安全性の高い資産(例えば国債や社債、不動産など)に投資します。
もし運用がうまくいかなくても、契約者には約束通りの保険金を支払う義務があり、運用リスクは保険会社が負っています。
一方で、外貨建て保険の場合、運用結果や為替レートの変動によって保険金や解約返戻金が変わります。そのリスクは契約者が直接背負う形になるんです。
特に、為替レートが円高になると、受け取れる円換算額が減ってしまう可能性があります。
保険会社にとって大事なのは、このリスクを「会社じゃなく契約者が負う」という点です。
例えば、金利が下がったり為替が円高になっても、保険会社が損失をカバーする必要がないんです。
日本の金利がずっと低いままだと、保険会社がリスクを負うのは大変なので、リスクを契約者に任せられる外貨建て保険は、会社にとってリスク管理がしやすい商品なんです。
理由2:手数料が高くて儲かる
外貨建て保険には、運用管理費や為替手数料がかかります。これが保険会社の収入源になっています。
特に外貨建ての場合、為替リスクがある分、手数料が高くなりやすいんです。
理由3:インフレ対策として売りやすい
インフレが続くと、円の価値が下がってしまいます。外貨建て保険はドルなどの外国通貨で運用するため、インフレリスクを減らす手段としてお客様にアピールしやすいです。
将来に備えたい人には「資産を守れるかも」と感じさせやすいですね。
理由4:資産を分散できる
日本円だけじゃなく、外貨を持つことでリスクを分散できるのもポイントです。これで、お客様に国内経済が悪化しても資産が守れるかもしれないと説明できます。
なぜ初心者に勧めやすいのか
保険の知識が少ない初心者に、どうして外貨建て保険を最初に勧めるのかというと、売りやすさが理由です。
1. インパクトがあって響きやすい
最近は円安やインフレが話題になっています。「外貨で安心」とか「インフレ対策になる」と言えば、資産形成を考えている人には魅力的に聞こえます。2.
2. 営業成績を上げやすい
外貨建て保険は他の保険よりも手数料が高いため、営業の成績が上がりやすいんです。
3. 貯蓄型として見せやすい
「掛け捨てはもったいない」と感じる人には、「お金が増えるかもしれない保険」として勧めやすいです。
4. ちょっと珍しくて興味を引きやすい
「外貨」や「インフレ対策」といったキーワードが新鮮に感じられるため、興味を持たれやすいんです。
結論
外貨建て保険は、保険会社にとってリスク管理がしやすく、手数料収入も得やすい商品です。また、インフレ対策としての魅力もあり、資産形成を意識する人にアピールしやすい特徴があります。
まとめ
生命保険会社が外貨建て保険を勧める理由は、リスクを契約者に転嫁できる点や手数料収入が見込めること、インフレ対策として訴求しやすいことなどです。ただし、為替リスクがあるため、自分の目的に合った保険を選ぶことが大切です。
生命保険会社の方の説明を聞いたり、自分なりに調べて、やはり外貨建て保険に入るのはやめようと思ったとき、どういうか。私はいつもこんな風に言っています。

私は、保険は保険、為替は為替でべつべつにしたいんで。ごめんなさい。やめときます。
保証は普通の保険で。為替で儲けたいなら、外国為替取引のみをすればいいんです